「和乃果」とは?山梨県産の高品質フルーツの魅力を引き出すスイーツブランドの魅力
SBY731
2021/08/18
茹だるような暑さに本格的な夏の訪れを感じたと思えば、あっという間に8月下旬。夕方から夜にかけて漂う夏の終わりの香りの切なさに、心がキュウッと締め付けられます。
以前、筆者の独断と偏見で決定した「カレと夏にしたいこと」を書かせていただきましたが、今回は夏の終わりにされたい《理想の告白》をショートストーリーでまとめました♡
大好きなカレを思い出しながら、ぜひキュンキュンしちゃってくださいね!
「もう知らない!」
小さい頃から知っているカレとケンカした。既読はついたものの、カレからの返信はない。
昔はワタシの服の裾を引っ張りながら泣き喚く男の子だったのにいつの間にか見上げるほど身長が高くなって、声にも‘‘男性’’を感じるようになった。学生時代よく言い寄られていたカレのことを、ワタシは物心ついた時から好きだった。
ケンカのきっかけは些細なこと。論理的で冷静なカレと、すぐ感情的になるワタシはよくぶつかるのだ。そのたびにワタシは、カレとの距離を離されていく気がしていた。
どうしていつもワタシはこうなのだろう。他の誰よりもワタシにだけ特別に優しいと感じていたし、きっといつか結ばれると思っていたけれど、違ったのかもしれない。
バイトが終わり店を出ると、雨が降っていた。傘は持ってきていないけれど、家まで走って8分。いける。返信のない携帯を少し見つめ、ふぅと息をついて鞄に仕舞い、走り出そうとしたその時だった。
「また泣きそうな顔してる」
声が聞こえると同時に、ワタシの上に降っていた雨が止んだ。振り向くと少し息を切らして微笑むカレが、以前ワタシが貸した真っ赤な傘を差して立っていたのだ。
雨の日特有の香りと隣を歩くカレの香りに胸の奥をギュウギュウと締め付けられながら、沈黙を守るカレにワタシは「ごめん」の3文字を絞り出す。
「実はさ、俺、」
まるで子供をあやす時のような温かい目をしてカレは笑う。昔から、雨が降って相合傘をする時はいつも、カレの左肩はずぶ濡れだった。
筆者には小さい頃から知っているカレも、真っ赤な傘も、降り注ぐ雨も無いですし、クーラーの効いた涼しいオフィスの座り心地の良い椅子に座り真顔でキーボードを打っていますが、心の中は台風と大雨で荒れに荒れています。
ああこんな恋がしてみたいものです……!こんな素晴らしい恋の展開を心待ちにして、まずは真っ赤な傘を買ってみますね♡
容姿端麗、成績優秀、運動神経は抜群で、おまけに性格はピカイチ。最近成人を迎えたワタシは大学の入学当初から、サークルで一緒の2つ上のカレが好きだ。
「先輩も飲んでくださいよ、今日は先輩の内定祝いなんですから~!」
2杯目で既に酔いが回っているワタシは、カレの目の前に置かれた一向にお酒が減らないグラスを見つめてみる。ああ先輩、卒業しちゃうのか。もっと一緒にいたかったのにな。でも告白なんてできないし。多分ワタシはアウトオブ眼中だし。
「いや、実は俺、お酒に強くないからさ」
アハハ、とカレは笑う。あー、ちょっぴり伸びた前髪から覗く一重の熱っぽい瞳も、伏し目にしたとき頬に出来る長い睫毛の影も、笑った時に見せる八重歯も、骨ばった大きな手も、やわらかくて甘い香りも、全部が好きだ。
刻一刻と迫る終電の時間を気にしながらお手洗いでハァと息をつき席に戻ると、既に会計は済ませられていて、出口の前でカレが手招きをしていた。「あの、おいくらでしたか」と財布を取り出すワタシを制して、「じゃあ次の機会に」とふわりとカレは笑う。
店の外に足を伸ばした拍子に手が触れて、ダメだ、このまま帰りたくない、もうこの際ひと夏のアバンチュールでも遊びでもなんでもいいからワタシを連れ去ってほしい、と感じたその瞬間。
「好きだ」
土曜夜の喧騒に掻き消されそうなほどの小さなカレの声は、ワタシの耳に確かに届いた。ドクドクと全身が脈を打つような感覚を抑え込みながら「え」と聞き返すと、「君が酔っていない時にまた改めて言うよ」とふわりと笑う。
むわっと肌にまとわりつくような夏の終わりの香りを吸い込むと、以前カレの友人が「あいつ、酒にめちゃくちゃ強いんだよね」とこぼしていたことを思い出した。
最後にはカレが‘‘お酒に弱いワタシがつられて飲み過ぎないように、自分はお酒に弱いと優しいウソをつく’’というメッセージが隠れているのですが、お気づきになりましたか?
まるで自分が経験したことのように書きましたが、妄想でした。
今世で徳を積みに積んで、来世こそはイリオモテヤマネコ以上の絶滅危惧種ではないかと思われるこんな素敵な男性に出会いたいです。
みなさん、お楽しみいただけたでしょうか?
こんな素敵な《理想の告白》を夏の終わりにされてみたいですよね♡
好きなカレと全然進展しない……と思っているそこのあなたも大丈夫!人生、いつどこで何が起こるかわかりません。もしかしたら、明日あなたにも《理想の告白》をしてくれる相手が訪れるかも♡
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