漫画の概念をも変えた天才漫画家、手塚治虫の作品をご紹介します
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2016/08/02
太宰治
本名:津島 修治(つしま しゅうじ)
生年月日:1909年6月19日
出身地:青森県北津軽郡金木村
死没:1948年6月14日(満38歳没)
代表作品:「富嶽百景」「走れメロス」「ヴィヨンの妻」
新戯作派、無頼派の代表格、太宰治。
太宰治は今も昔も日本の文学界に影響を与え続ける作品を世に送り出してきました。
みなさんは太宰治の作品が学生時代に教科書に載っていた、なんて経験あるんじゃないでしょうか。
今回はそんな太宰治の絶対に読んでおくべき作品をご紹介します。
駈込み訴え
初出:『中央公論』1940年2月号
単行本:『女の決闘』(河出書房、1940年6月15日)
執筆時期:1939年12月完成
最初にご紹介する太宰治の作品は「駈込み訴え」
この作品は太宰治の妻、美知子が太宰治の口述を筆記した作品です。
「申し上げます。旦那さま。あの人は、酷い。酷い。…」キリストを売った男ユダは、
それまでのキリストへの愛憎うず巻く胸の内を独白する。なぜ、彼は主を売らねばならなかったのか…。
イエス・キリストと新約聖書に登場するイエス・キリストの使徒イスカリオテのユダの話を基にした作品。
これは考えられないくらいの名作。さらさらと流れてくるような美文にある種の心地よさを感じるのに、ちゃんとストーリーも流れてゆくのだ。やっぱ太宰は天才。すごい。
壮大なツンデレユダ小説と解釈しました。わりと間違ってないと思う。嫉妬とか羨望の混じったユダの感情は、すごく共感できる。共感しすぎて、ちょっと苦しいぐらい。
太宰治の作品の中ではあまり知られていない「駈込み訴え」
この作品は短編小説ですらすらと読めるものになっています。
イエス・キリストを裏切ったことで知られるイスカリオテのユダ。
そんなイスカリオテのユダがイエス・キリストを裏切る経緯について太宰治なりに描かれた作品ですが、共感できるようなイスカリオテのユダの内面が描かれています。
是非読んで頂きたい作品です。
お伽草紙
著者:太宰治
発行日:1945年10月25日
発行元:筑摩書房
続いてご紹介する太宰治の作品は「お伽草紙」
この作品は太宰治が空襲から避難した防空壕で書いた作品です。
誰もが子供の頃に慣れ親しんだ昔話を太宰治がアレンジした短編が4つ収録された作品。
太宰治の才能が溢れんばかりに出ていたように思う。彼の中期の作品となっているが、なるほどなんだか腰が据わっている感じがする。文体を見ても意地の悪い諧謔などなく、かえって真面目な印象を受ける。
非常にユーモアがあり、諷刺も効いていておもしろい作品でした。古くから伝わる昔話は、多くの場合、何らかの教訓譚を含んでいますが、太宰が独自に解釈し直したそれは、昔話が持つ普遍性を保ちながら、さらに奥深くまで人間というものを見つめた結果浮かび上がってきた真理までをも、描いているように思われます。
昔話という誰もが聞いた事のある話ばかりなのですが、
その設定自体を変えて新たな解釈を加えると
こうまで面白くなるものか、
大人が読んでもそれに耐えうる作品になるのか
という事がよく分かる作品です。
太宰治の作品「お伽草紙」は「こぶとりじいさん」「浦島太郎」「カチカチ山」「舌切雀」などよく知られた昔話を太宰治流に改変した短編が収録されています。
こんな大胆にアレンジしてもいいのか?!という設定の数々にユーモアさえ感じます。
太宰治独自の世界観に魅了されること間違いなしの作品でしょう。
女生徒
初出:『文學界』1939年4月号
単行本:『女生徒』(砂子屋書房、1939年7月20日)
執筆時期:1939年2月24日
最後にご紹介する太宰治の作品は「女生徒」
この作品は19才の太宰治の作品の女性読者が送った日記を基にした作品です。
14歳の女生徒が朝起床してから夜就寝するまでの一日を主人公の独白体で綴っている。思春期の少女が持つ自意識の揺らぎと、その時期に陥りやすい、厭世的な心理を繊細な筆致で描き出した。
かの有名な小説家、川端康成も絶賛した作品。
女性1人称の短編集。途切れなく独白する形態なので、疲れてしまうところもありましたが、本当に男性(太宰治)が書いているの?と疑うくらい、女性小説として完成度が高い。
時代を超えて、現代の女子高生の気分を描いていると言っても過言ではない。夢も希望もない、灰色の朝。オバサンに対する生理的嫌悪感。何とも言えない不機嫌な空気。何にも常に不満足な雰囲気が、心を揺らす。
女生徒の内面が繊細に描かれた「女生徒」
太宰治は男性ですが、まるで女性が書いたような内容に舌を巻きます。
現代の女性でも共感できる描写が沢山あり、傑作といっても過言ではない作品です。
女性は勿論男性にもおすすめしたい作品。
今回は太宰治の作品に関して色々とご紹介しました。
短編を中心にご紹介したのですが如何でしたか?
この記事で紹介した作品だけではなく、太宰治の作品は長編短編どれも素晴らしいので是非太宰治の作品に色々と触れてみてください。
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