dmegumi
2015/10/09
「我輩は猫である」「こころ」「坊ちゃん」の他、旧千円札の人物として馴染み深いのが夏目漱石である。
本名は夏目金之助。
職業は小説家のみならず、評論家、英文学者も営む。
歳を重ねるとともに病気がちになり、肺結核や糖尿病、うつ病など多数の病に苦しみなが
ら後世に残る作品を発表していった。
門下生に芥川龍之他多数がいる。
1867年2月9日に生まれ、1916年12月9日に胃潰瘍で、49歳という若さで亡くなる。
夏目漱石は心に響くような名言をたくさん残していますが、その中でも有名なのが「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳したことです。
英語の授業で、I love you を「我君ヲ愛ス」と訳した生徒に、日本人なら「月がきれいですね、と言えば伝わる」と言ったことから、現代でも「好き」という代わりに、「月がきれいですね」といえば、ちょっとおしゃれ。
相手がこの意味をわかってくれたら、ますます好きになりそうですね。
では、漱石は何故そう生徒に言ったのでしょう。
『月がきれいですね』こう言うだけで、この感動をあなたとぜひ分かち合いたいという深い想いをわかってもらえるはずだ。
あなたに好意を持っているということが日本人であれば十分に理解できると考えたのです。
英文学に深く広い知識を持っていた漱石は、それゆえに日本語の美しさと日本人の思いを理解していたということが理解できるエピソードですね。
「I love you 」を「月が綺麗ですね」と訳すなんて素敵な感性ですよね!
慎ましく控えめな昔の日本人ならではの言葉ですよね。
好きな気持ちを込めながら「月が綺麗ですね」と大切な人に伝えたら、今の時代でも気持ちが伝わるかも!?
ところで、みなさんは夏目漱石作品を読んだことはありますか?
学生の頃国語の授業で読んだ、という方は多いはずですが、ちゃんと内容を覚えていますか!?
それでは有名なあの作品から隠れた良作品まで、おすすめ作品をご紹介します!
タイトルと内容はなんとなくわかるんだけど、詳しい内容まではわからない、と多くの人が思っているであろう作品を5作集めました!
「我輩は猫である。名前はまだない」の名言で知られた名作。
猫の目線で見たユーモラスな人間模様が描かれた作品。
国語の教科書で読んだことがある、という方も多いはず。
学生の主人公は鎌倉で出会った人物を「先生」と呼び慕う。
先生には親友を裏切り、自殺へ追い込んだ過去がある。
友情と恋、どちらを選べばいいか考えさせられる作品。
中学教師の主人公が、東京から離れ赴任先の松山という田舎で教師として戦う作品。
熊本から東京へと上京した男が、年上の女性に翻弄されていく作品。
大学を卒業しても働かない男が、昔好きだった、今は友人の妻の女性を自分のものにしようと働くことを決意する物語。
「タイトルは知ってるけど難しい文章だし読みたくない!」という方も今はマンガになっている作品もあるので、マンガを読んでみるのもいいですね!
有名な作品は有名なだけあって、すごくおもしろいものです。
それを知らずに済ます手はないですよね!
夏目漱石といえば、と言われて思い浮かぶ作品はいくつかあると思います。
そういった有名な作品はきっとおもしろいはず。
でも「そんなタイトル聞いたことない」なんて隠れた作品でもおもしろい作品はあるはずなんです!
そんな5作を厳選しました!
美しいが性格に難ありの女性・藤尾と、古風で大人しい性格の女性・小夜子との間で心が揺れ動く主人公。
秀才だが貧しい主人公は貧乏から抜け出すために小夜子との縁談を断ってしまう。
やがて主人公の打算的な心が藤尾を悲劇に導いてしまう。
人に勧められ飼い始めた文鳥。
可憐な文鳥であったが、不注意から死なせてしまう。
やがて可憐ながらも死んだ文鳥と昔亡くした女性が重なっていく。
あの夏川草介の「神様のカルテ」に影響を与えた名作です。
旅をする画工は温泉宿である美しい女性に出会う。
「自分の画を描いてください」と女性に言われるが気が進まないが、元夫の姿をとらえた女性の表情を見て女性の画が描けると思い始める。
学問だけが生きがいの主人公は妻や家族に敬遠されていた。
孤独に苦しみ、家族に不信感を持ち、弟に自分の妻とひと晩よそで泊まってくるように仕向ける。
親友を裏切り、親友の妻を奪った主人公は無気力に生活していた。
ある日、裏切った親友が帰国すると耳にした主人公は禅に救いを求め門をくぐる。
夏目漱石の書く文章は美しい、と評価する人も多く、特に草枕や文鳥を読むとそう感じることができると思います。
古典的なイメージが強く、読みにくそうな夏目漱石作品ですが、読んでみれば夏目漱石の人間性が滲んだ文章に引き込まれますよ!
最近では純文学を映像で表現したものが多くありますよね!
映像なら難しくないし、あっという間に純文学を制覇できるはず!
そんな映像になった夏目漱石作品を紹介します!
アニメ
青い文学シリーズ こころ
映画
「蒼箏曲」(2012年)
出演キャスト
勝村美香
尾関陸
高田里穂
夛留見啓助
「こころ」を現代風にアレンジして実写映画化しています。
映画
「ユメ十夜」(2007年)
出演キャスト
小泉今日子
松尾スズキ
うじきつよし
中村梅之助
山本耕史
10人のベテランから新進気鋭の監督が、1夜づつを完全映画化しています。
ドラマ
『おまえなしでは生きていけない ~猫を愛した芸術家の物語~』 第四夜 夏目 漱石(2011年)
主演キャスト
鶴見辰吾
佐藤仁美
ドラマ
新春スペシャルドラマ「坊ちゃん」(2016年)
出演キャスト
二宮和也
純文学は敬遠してしまいがちですが、夏目漱石作品には意外にも読みやすい作品も多いとか。
秋の夜長、虫の音の中で読む夏目漱石作品は、きっとあなたを本に夢中にさせてくれるはず!
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