ギャグやダジャレ満載!日本最古の物語「竹取物語」のあらすじとは

平安時代初期の成立と考えられている「竹取物語」のあらすじは多くの方がご存知と思います。しかし「竹取物語」には、物語のあらすじに応じたギャグの類が満載されていることはご存知でしょうか?「竹取物語」のあらすじに従いながらご紹介いたします。

「竹取物語」についてのおさらい

『竹取物語』(たけとりものがたり)は、日本の物語。成立年、作者ともに未詳。『竹取物語』は通称で、『竹取翁の物語』とも『かぐや姫の物語』とも呼ばれた。また、現代は『かぐや姫』というタイトルで、絵本・アニメ・映画など様々な形で出版されている。

出典:https://ja.wikipedia.org

「竹取物語」については、学校の古典の教科書にも出てきますので、みなさんあらすじはご存知と思います。

『竹取物語』は、日本最古の物語と伝えられ、「物語の祖(おや)」とも言われる。遅くとも平安時代初期の10世紀半ばまでには成立したとされ、かな(元は漢文)によって書かれた最初期の物語の一つである。
内容は、「竹取の翁(おきな)」によって光り輝く竹の中から見出され、翁夫婦に育てられた少女かぐや姫を巡る奇譚。かぐや姫は五人の貴公子から求婚を受けるもこれを退け、帝から召し出されても応じず、八月の満月の夜に「月の都」へ帰る。

出典:https://ja.wikipedia.org

この「竹取物語」のあらすじから、「竹取物語」は何を語っているのだろうか、訴えていることは何だろうかと、様々な意見が出されています。
そもそもかぐや姫が月の世界から地上に来た理由も、ハッキリした定説はないのです。

「竹取物語」意外な一面

実は「竹取物語」全編にわたり、ダジャレといいますか、オヤジギャグといいますか、オチのついた話になっているのはご存知でしょうか?
さっそく、そのオチの部分に着目して「竹取物語」のあらすじを追ってみましょう。

竹取物語のあらすじ:第一部

あらすじ一:かぐや姫の生い立ち

かぐや姫を竹の中から見つけて、家に連れて帰り、育てて「なよ竹のかぐや姫」と名付けて祝いの宴席を設けるところまでです。

その傍あたりの垣にも家のとにも居をる人だに、容易たはやすく見るまじきものを、夜は安きいもねず、闇の夜に出でても穴を抉くじり、こゝかしこより覗き垣間見惑ひあへり。
さる時よりなんよばひとはいひける。

出典:http://www2s.biglobe.ne.jp

【「竹取物語」あらすじからのダジャレ:1】
かぐや姫の評判を聞いた男たちが夜にやって来て、なんとかできないものかと、垣根に穴をあけて覗いたりしている。こういうことから「夜這い」というようになった。

竹取物語のあらすじ:第二部

あらすじ二:つまどひ ~五つの難題

かぐや姫に言い寄ってくる男たちの中でも、どうにも諦めきれない五人が残りました。
その後五人には、これをかなえたらかぐや姫がお仕えしましょうという難題が出されました。
ここにはオチはありません。

あらすじ三:仏の石の鉢

石作(いしづくり)の皇子(みこ)には、「仏の石の鉢」を取ってきてください。
ということですが、もちろん「仏の石の鉢」なるものは伝説のもので存在していません。
石作の皇子は、天竺に取りに行くと嘘をついて、三年後に作り物を持参するのですが、簡単に見破られてしまいます。
石作の皇子は鉢を捨ててもなお、かぐや姫に言い寄ろうとします。

かれ鉢を棄てゝまたいひけるよりぞ、面なき事をばはぢをすつとはいひける。

出典:http://www2s.biglobe.ne.jp

【「竹取物語」あらすじからのダジャレ:2】
鉢を捨ててもなお、厚かましくも言い寄ってくることを「はぢを捨つ」(=恥を捨てる)と言うようになった。
ということです。
「鉢」と「恥」をかけている訳です。

あらすじ四:蓬莱の珠の枝

庫持(くらもち)の皇子には「蓬莱の珠の枝」を持ってきてください。
ですが、蓬莱山自体から架空の山(島)です。
庫持の皇子は、旅に出たように装い、職人に偽物を作らせますが、これも見破られます。
庫持の皇子は、恥をかいたと山に籠ってしまい、その後探しても見つからず、死んでしまったのかもしれません。

皇子の御供に隱し給はんとて、年頃見え給はざりけるなりけり。是をなんたまさかるとはいひ始めける。

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【「竹取物語」あらすじからのダジャレ:3】
皇子を見かけないまま数年がたっていることを「たまさかる」というようになった。
ということです。
「たまさかる」とは「偶さか」/「適さか」のことですが、「たままになる」、「見る機会が減る」ということです。
語源はここからきているのですね。
さらに皇子が死んだのではないかということから、「魂(たま)が離(さ)かる」
皇子が珠の枝で恥をかいたということから「珠(たま)悪(さが)る」
というのをかけた洒落だという解釈もあります。

あらすじ五:火鼠の皮衣

阿部御主人(あべのおうじ)には唐土(もろこし)にある火鼠のの皮衣を持ってきてください。
です。もちろんそんなものはありません。
阿部御主人は金にものを言わせて偽物を手に入れてきますが、かぐや姫の前で本物か試そうとして、燃えないはずが燃えてしまいます。
阿部御主人はかぐや姫と結婚することはできなかったのです。

或人のいはく、「裘は火にくべて燒きたりしかば、めら\/と燒けにしかば、かぐや姫逢ひ給はず。」といひければ、これを聞きてぞ、とげなきものをばあへなしとはいひける。

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【「竹取物語」あらすじからのダジャレ:4】
「衣は燃えてしまったので、かぐや姫とは逢(あ)えなかった(=結婚できなかった)と言うことから、やり遂げられないことを「あへなし」と言うようになった。
ということでした。
今でもよく使う「あえなく失敗に終わった」という語源なんだそうです。

あらすじ六:龍の首の珠

大伴の御幸(みゆき)には、龍の首にある五色に光る珠を取ってきてください。
とのことです。
大伴の御幸は龍から珠を取ってやろうと船で漕ぎ出しますが嵐にあって散々な目にあいます。
結局断念したのですが、目玉は李(すもも)のように腫れ上がってしまいました。

「いなさもあらず。御眼おんまなこ二つに李のやうなる玉をぞ添へていましたる。」といひければ、「あなたへがた。」といひけるよりぞ、世にあはぬ事をば、あなたへがたとはいひ始めける。

出典:http://www2s.biglobe.ne.jp

【「竹取物語」あらすじからのダジャレ:5】
両目が李のようになってしまったが、目玉の李では食べられない。ということで、思い通りにならないことを「耐えがたし」というようになった。
ということです。
「食べ難し」と「耐え(堪え)難し」のダジャレです。

あらすじ七:燕の子安貝

石上麻呂足(いそのかみのまろたり)には、燕の子安貝を持ってきてください。
ということです。
燕の子安貝とは燕が卵を産むときに出すという宝貝と信じられている(信仰されている)ものです。
石上麻呂足は燕の巣に張り付いて頑張ります。そしてとうとう子安貝を掴んだと思った瞬間、巣のあった高いところから転げ落ちて重症となります。
それを伝え聞いたかぐや姫はかわいそうに思い歌を贈ります。
それを聞いた石上麻呂足はとても嬉しく思うのですが、返歌をしたためて死んでしまいます。

それよりなん少し嬉しきことをば、かひありとはいひける。

出典:http://www2s.biglobe.ne.jp

【「竹取物語」あらすじからのダジャレ:6】
少しうれしいことを「甲斐があった」というようになった。
ということです。
もちろん「甲斐」は燕の子安貝の「貝」にかけたダジャレです。

竹取物語のあらすじ:第三部

あらすじ八:御狩のみゆき

五人の貴公子たちの失敗の後は、いよいよ御門の登場です。
宮廷に出仕するよう命じますが、かぐや姫が承諾しません。
そこで御門は狩りに行くことにして、かぐや姫のもとを訪ねてきます。
かぐや姫は姿をくらませて危機を脱します。
なお、ここにはダジャレは登場しません。

竹取物語のあらすじ:第四部

あらすじ九:天の羽衣

その後、思い悩むかぐや姫を心配した媼にかぐや姫が天に帰らねばならないことを告白します。
そして八月十五日の夜、武士で警備を固めたことも空しく、月からの迎えの使者に連れられて、かぐや姫は月に帰ります。
ここにもダジャレは登場しません。

竹取物語のあらすじ:第五部

あらすじ十:富士の煙

御門は、かぐや姫の残していった「不死の薬」を、どこか天に近い山の上で燃やすように命じます。
そこで駿河の国の高い山に武士たちが「不死の薬」をもって上って燃やしてしまいます。

そのよし承りて、兵士つはものどもあまた具して山へ登りけるよりなん、その山をふしの山とは名づけゝる。その煙いまだ雲の中へたち昇るとぞいひ傳へたる。

出典:http://www2s.biglobe.ne.jp

【「竹取物語」あらすじからのダジャレ:7】
駿河の国の高い山は「富士の山」なので、「不死の薬」を持って行くことから「不死の山」が「富士の山」になるのだろうと、読者は想像するのですが、そこをさらに上を行って「武士が大勢(富む)登ったので富士」だときます。
ちなみに「富士の煙」は「不死(の薬を燃やしている)の煙」だそうです。

まとめ:「竹取物語」は物語の祖でもあったが、ダジャレの祖でもあった!

「竹取物語」のダジャレをあらすじに沿ってみてきました。
「竹取物語」のあらすじは、見方や研究者により幾通りかあります。
しかし、こんなにダジャレが多いということは、あまり知られていません。
源氏物語に物語の祖とまで言われている「竹取物語」の作者が、こんなにダジャレが好きなだったとは驚きでした。

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