アメリカンファッションを世界に広めた新進気鋭のデザイナー達

アメリカンファッションは開花が遅かった事をご存知でしたか?パリではやりの物をコピーしていたアメリカのファッションはどのようにして進化したのでしょう?今回は1940年代までさかのぼりアメリカのファッション史についてみていきましょう

1940年代までさかのぼって見る、アメリカファッションの歴史

アメリカのファッション

ジーンズやヒップホップ・ファッション、ヒッピー・ファッションなど世界に定着したアメリカ発のファッション。しかしアメリカが独自のファッションスタイルを築き始めたのは1930年代から40年代にかけてと、遅咲き。

1940年代までのアメリカではパリのオートクチュールのコピーが主流だったそうで、自国のファッションというものはほぼなかったようです。ところが世界大戦中、パリのファッションモードが機能せず、そこからアメリカは独自のファッションを作るようになったと考えられています。

独自のファッションを作る理由となったのは、女性が労働するようになったこと。服装には動きやすさが求められ、この動きはそのまま戦後のカジュアルファッションの流行へとつながります。

しかし40年代よりも前からアメリカのデザイナーや製品を推奨する動きはありました。先導していたのは百貨店や小売店。「アメリカン・ルック」という言葉を生み出し、キャンペーンも行いました。

フランス・ファッションのコピーからオリジナルへ

徐々に独自のファッションを開拓していたアメリカ。その立役者となったのはクレア・マッカーデルという一人の女性デザイナー。

レディースのアメリカ・ファッション立役者【クレア・マッカーデル】

アメリカ出身のクレア・マッカーデル

1905年にアメリカの裕福な家庭に生まれた彼女は、タウンリーフロックやハティ・カーネギーでファッションデザイナーとして働いていましたが、1940年にファッションブランド「クレア・マッカーデル」を設立。シンプルで機能性の高いファッションを提供し、アメリカンスタイルを築き上げました。

彼女は衣服の上下が分かれているセパレーツ、キッチンディナードレス(料理ができて来客にも対応できる服)、デニムを使用した服の上からはおるドレスポップのオーバー、ジャージ素材を用いたハイウエストでルーズなベビードールドレス、バレエシューズを日常用の靴に応用したデザインで、シンプルかつカジュアルなデザインを提案します。

現代に通用するアメリカン・ファッション

ジャージ素材を使ったワンピースは着心地が良いだけでなく、高いファッション性もあり、現代でも十分通用する可愛らしさ。

彼女のターゲットはズバリ中流階級。機能性を重視したカジュアルで活動的なデザインを次々と発表しました。

服の上からも気軽にはおれるドレスやポップオーバーが注目を集め、一枚布で作ったサロン風ドレスやジャンプスーツなども人気を集めました。

30年代や40年代のアメリカで良くみられたファッションはクレア・マッカーデルによって普及されたものなんです。

アメリカ・ファッション史【ヒッピー・ファッション】

アメリカが生んだムーブメント ヒッピー

ベトナム戦争を背景に、平和を愛し自然との共存を訴える若者たちがアメリカで急増。彼らのファッションとして共通していたのがカラフルでサイケデリックなフォークロア・ファッションやバンダナなど。ヒッピー・ムーブメントが衰えた今でもヒッピー・ファッションは世界中で息づいている。

ヒッピーが活躍した60年代、アメリカではベトナム戦争の反戦運動、人種差別の反対(公民権運動が起こりました。ヒッピーは近代の政治、社会などへの疑問から出発し、「ラブ&ピース」の理想を掲げ、対抗文化を生み出しました。

ヒッピー・ファッションはアメリカ発

現在ではヒッピーの思想がを知らない世代が、ヒッピー・ファッションを受け継いでいます。また、見る方も自由気ままで束縛されないライフスタイルを貫いている人を見るとヒッピーをイメージするようです。

民俗風習、部族の衣装の特徴を用いたファッションであるフォークロア・ファッションは60年代半ばから広まっていました。

有名なスタイルとして長髪にヒゲをはやし、刺繍の入ったカフタン、バンダナ、スカーフを身につけています。カラーは花柄やカラフルで、様々なカラーを混ぜた混沌とした色が使用されました。

野外フェスの風物詩

アメリカで毎年開催される野外音楽フェス「ウッドストック・フェスティバル」や「コーチェラ・フェスティバル」などでは参加者の多くがヒッピー・ファッションでやって来るそうです。

アメリカ出身、有名ブランドのファッション・デザイナー達

1960~70年代は日本でも有名なデザイナーたちが数多く輩出された時代でもあります。彼らが打ち出したのは、イメージであり、ライフスタイルの提案でした。実用性、機能性、スタイリッシュな雰囲気を強く持ち合わせたものがこの時代にデザイナーたちから排出されます。

それまではアメリカのファッションに何の恐れも感じていなかったあのパリでさえも、80年代になると無視することができなくなるほど成長していきます。

この時代に排出されたデザイナーたち

ラルフ・ローレン

1939年ニューヨーク出身。セールスマンなどをしながら独学でファッションを学び自身のブランド「ラルフ・ローレン」を立ち上げ、「アニー・ホール・ルック」で一世を風靡しました。

トミー・ヒルフィガー

1951年ニューヨーク出身。キャリアの始まりは、高校時代に友人とジーンズを売って成功したこと。ラルフ・ローレンと同じく独学でファッションを学び、ブランド「トミー・ヒルフィガー」を立ち上げました。

カルバン・クライン

1942年ニューヨーク出身。ボディラインを強調したシルエットにこだわりがあり、「全てはカッティングから始まる」がモットー。その信念はニューヨークのキャリアウーマンに支持され成功を収めます。

ダナ・キャラン

1948年ニューヨーク出身。14歳で服を売り始めます。着心地のよさとセクシーな美しさのバランスを追求し、「仕事先からパーティーに直行してもいい服」をモットーに作られるファッションはニューヨークのキャリアウーマンに支持され成功を収めました。

揃ってニューヨーク出身だったデザイナー達。時代の流れを読みデザインを発表した彼らと、それらを支持したニューヨーカー達によってアメリカのファッションは急成長を遂げました。

気になるものがあったら通販などで手に入れてみて

アメリカのファッションを盛り上げてきたデザイナーたちのブランドは今や世界中で愛されています。気になるブランドがあれば、通販などで買ってみると、また歴史を感じられるかもしれません。

意外にもファッションに関しては遅咲きだったアメリカ。それでも現在は世界を牽引するファッション大国の一つとして、今日も新しいデザインが生まれていることでしょう。

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