むぎまめこ
2015/10/26
長野県では夏山シーズンでは登山中の遭難事故で4人に1人が頭部を損傷しているといいます。ヘルメットの着用奨励山域の指定もしておりヘルメットのレンタルもしていますが、実際ヘルメットを持っていない登山者も多いそうです。
実際、登山者に自分のヘルメットは持ってますか?というアンケートがありました。
持っていると答えたのは全体の44%、あれ?意外と多い?と思うかもしれませんが、これはアンケートの回答者にヘルメットを必要とする雪山や沢登りを行っている人が多いからだそうで、実際一般の登山者に聞けばこの結果よりも下回ると考えられます。
今年、富士山の四つの登山道にある山小屋などに、登山者用ヘルメット計約3100個が配備される。 7月の富士山山開きまでに用意し、登山者の安全確保につなげる考えだ。静岡県側の富士宮、御殿場、須走すばしり(小山町)の3ルートにある山小屋などには、県の補助金で、計約620個を備える予定だ。県によると、昨夏、3ルートを通った登山者は約11万5000人に上る。山小屋などに配備されるヘルメットだけでは足りないため、自治体などが登山者に持参を呼びかけるという。
俺は登山者のヘルメット装着に賛成だな
ちょっと転んだだけでも岩場なら自分の身の安全を守る事が出来る
ある程度の難易度が必要とされる山はヘルメット装着を義務付けた方がいい
意見は様々あるようですが・・・では、どんな時にヘルメットが必要なのでしょうか。
登山中、岩場を登るということも多いと思いますが、実際ヘルメットをかぶるという人はあまりいないというのが現状です。しかしもし風が強く吹いてきてバランスをくずしたら・・・、上に登ってる人から小石などが落ちてきたら・・・危険はたくさん潜んでいます。
奥穂高から西穂高へ向けて縦走をしていて150m滑落した方がいました。手足は骨折したそうですがヘルメットをかぶっていたため頭は無事だったそうです。
頭が無事ということは意識があり、助けを呼ぶこともできるでしょう。
頭を守るというのは絶対重要なことであり、ヘルメットをかぶるというのは必要なことだとわかります。
記憶に新しいのが戦後最大の犠牲者を出した2014年の御嶽山の噴火です。犠牲者の半数以上が頭に噴石を受けた痕がみられるといいます。
そこでヘルメットの有る無しが生死を分けるポイントとなるのです。
もちろんヘルメットでは対応できないほどの大きい噴石もあったでしょう。しかし細かい噴石により頭を手や腕、ザックで庇いながら逃げたという話も聞きます。
ヘルメットがあったら・・・と後悔しないためにヘルメットを備えておくことは重要なことではないでしょうか。
皆さんはどんなことを重視して登山用ヘルメットを選びますか?
色やデザインはもちろんですが、やっぱり気になるのは安全性ですよね。
現在メーカーから出ている登山用のヘルメットは「EN 」ヨーロッパ規格の登山用ヘルメットの安全基準に適合しています。さらに国際山岳連盟が定めた「UIAA 」の安全基準に適合しているものもありますので正規で販売されているものは大丈夫だとは思いますが、中古やオークションなどで買われる場合はマークがあることを確認してください。
「UIAA 」とは?
1964年からクライマーのために、クライミング用品(登山用品)の購入の参考になるよう、UIAA Safety Label(UIAA安全基準=UIAA規格)を定めている。これ以来、UIAA規格をクリアーしているものは高品質・安全の証拠として多くのクライマー達の選択基準のひとつになっている。2004年からは、MOUNTAIN PROTECTION AWARDを創設し、山岳で何らかの活動を行う場合にはUIAAが定めた環境基準を満たしている場合に与えられる。
登山用ヘルメットをネット通販で購入しようと考えている方もいると思いますが、まず一度お店に行って試着することをお勧めします。
人の頭というのは大きさや形が全然違いますよね、かぶってみたらぶかぶかだったりきつかったり、または部分的に当たって痛いなんてこともあります。
自分の頭にきちんとフィットするものを選ぶのが基本だと思います。
試着してみて気になる点を確認してみましょう
1 視界を遮らないかどうか
安全のためにヘルメットを付けるのに周りが見えなければ事故につながります。
2 きつすぎず緩すぎず。または調節ができるもの。
冬、雪山に行くときなどはニット帽を中にかぶったりします。
中には調節のできるダイヤルがついたものもあります。
3 外側にレインコートなどのフードをかぶった時に支障がないこと
レインコートのフードがかぶれてしっかりとチャックも絞められるのが絶対
4 通気性
頭が蒸れるのは嫌ですよね
5 軽さ
持ち運ぶのもかぶるのも軽いほうがいいですよね、でも強度は??
【発泡ポリプロピレン/EPS】
「発泡スチロール」のような軽量で衝撃吸収能力が高い素材のヘルメット。
衝撃を受けるとへこんだりすることで衝撃を吸収します。
PETZL(ペツル) シロッコ
【ポリカーボネイト/ABS】
高強度の硬い樹脂製のヘルメット。
衝撃を弾き返すような形で頭を保護します。
いろんな場面で使え、壊れにくいのが特徴。
モンベル(mont-bell) アルパインヘルメット#250
【ポリカーボネイトと発泡ポリスチレンによる一体成形】
シェルにポリカーボネイト フォームに発泡ポリスチレンを使ったもので衝撃吸収に優れています。
WILDCOUNTRY(ワイルドカントリー)フォーカス
【ヘッドランプクリップ】
最近のヘルメットにはヘッドランプがずれないように固定できるクリップがついてるものが多いです。
ヘルメットに一体化したものもあります。
【ダイヤル式アジャスター付】
素早くサイズを調節できるダイヤルです。かぶったまま簡単に調節できます。
【ベンチレーター付き】
ベンチレーターとはヘルメット内部の 換気を促すためにつけられている穴です。頭の蒸れを防止します。
Black Diamond(ブラックダイヤモンド) ベイパーヘルメット Vapor
【収納型サングラス】
アイスクライミングでの落氷片から目をガードするのに有効な、収納型のサングラスです。
TRANGO(トランゴ)コメット
BLACK DIAMOND【ブラックダイヤモンド】ベクターヘルメット
ポリカーボネイトシェルとEPSフォームの一体成型です。
前後に8つのベンチレーターが付いていて通気性がいいのと、ヘルメットと一体化されたヘッドランプクリップや素速くサイズ調整ができるラチェット式アジャスターも付いています。
色もカラフルでかわいいですよね。
重 量: S/M=230g、M/L=240g
BLACK DIAMOND【ブラックダイヤモンド】 ハーフドムヘルメット
こちらはABSシェルとEPSフォームのハイブリッド構造になっています。
左右と後方にベンチレーションポートが付いていて通気性もあり、ヘルメット本体に組み込まれたランプクリップや素早くサイズ調整できるダイヤルアジャスターも付いてます。
また、サスペンションは本体に収納できます。
重 量:S/M=290g、M/L=320g
BLACK DIAMOND【ブラックダイヤモンド】ベクターヘルメットに比べると平らな作りになってますね、重量もこちらのほうがあります。
CEBE(セベ) ヘルメット「Trilogy(トリロジー)」
スキー、登山、マウンテンバイクの3種スポーツに対応するヘルメット
登山バージョンの重量は250gでヘッドランプ装着アタッチメントやフィッティング調整機能、ベンチレーションも付いています。夏用・冬用交換式インナーは洗濯可能だそうです。
登山だけでなくスキーもやるという方はいいかもしれませんね。
EDELRID エーデルリッド マディーロ
折りたたんでザック内に収納できる画期的なヘルメット。
ABSプラスチック樹脂 重量/390g
ただ、折りたためるけど意外と重量はありますね。
EXPED(エクスペド) メッシュ ヘルメット ホルダー
ザックに取り付けることができるヘルメットホルダー。これならリュックの奥底にしまっていざという時に取り出せない、なんてことはありませんね。
ヘルメットを外付けするために購入。グレゴリー・アルピニストに装着出来ました。他のメーカーのザックでもほぼ問題無く使用出来ると思います。ヘルメット以外でも脱いだジャケットなどを挟むのにも使えそうです。
いかがでしたか?
登山にヘルメットなんか必要ない。と思っていた方もちょっと気になってきたんじゃないでしょうか。ヘルメットを持っていても、同行者が持っていないとなかなか被ることはできないかもしれませんが、危険に遭遇した時に自分の身を守るのは自分自身です。この機会にぜひお店に出向いてヘルメットの試着をしてみましょう。そして自分に合ったヘルメットを見つけてみてください。
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