ポメたん
2016/06/19
今年も、全国の書店員が選ぶ「本屋大賞」の結果が発表されました!
本に囲まれて働く書店員が選んだ作品は、本好きも納得の面白さ。人気作家の話題作や、翻訳小説まで、「本屋大賞」に選ばれた本5冊をわかりやすくご紹介していきます。
【蜜蜂と遠雷】幻冬舎
恩田陸
¥1,944(税込)
ピアノコンクールを競い合う、天才4人を描いた力作。音楽を文字で表すという、ハイレベルな表現に成功。音楽がわからない人でも一気に引きこまれ、エンタメ性もバツグン。構成の素晴らしさは、作家たちの間でも評判になるほど。本作は、2016年の直木賞も受賞しました。
とても取っつきやすい文章であっという間に本の世界へ引き込まれていきました。長いですがあっという間に読めると思います。ピアノに興味がない、クラシックを知らないという人でも十分に楽しめる内容かと思います。
Amazonレビューより
【みかづき】集英社
森絵都
¥1,998(税込)
ときは昭和36年。小学校で生徒の補習をする大島吾郎は、生徒の母・千明から学習塾の立ち上げに誘われる。塾経営は波に乗るが、世間では塾の教育に対する批判もあった。吾郎、千明、その子どもたちそれぞれの教育観もことなっていく。教育とは何かを読者につきつける意欲作。
学習塾を通して高度成長期から現代へと教育に関わり続けた一家の親子三代に渡る物語。大河のような大きな流れの中で翻弄されながらも、自分でしっかり考え行動していく登場人物たちの生き方もよかったし、その大きなうねりが今後も続いていくんだなと感じられるラストも良かったです。
読書メーターより
【i(アイ)】ポプラ社
西加奈子
¥1,620(税込)
アイは、赤ん坊のころシリアからニューヨークに渡り、裕福な夫婦の養子になった。世界の悲惨なニュースを耳にするたび、アイは自分だけ恵まれた環境にいていいのか葛藤する。少女から大人へと成長する主人公の苦しみが聞こえてくるような、ビビッドな作品。
honto みんなのレビューより
【コンビニ人間】文藝春秋
村田沙耶香
¥1,404(税込)
コンビニでアルバイトを続ける古倉恵子は、36歳で未婚。コンビニのマニュアルの中で働いているときが一番自分らしくいられる。妹や、出会ったばかりの男性にまでそんな生き方でいいのかと詰めよられ、恵子はいま一度自分の生き方を見つめ直してみるのだった。
普通ではない人間が普通になりたくて、でも普通になれなくて。そんな主人公に自分が会ったら変な人だと思うかもしれない。でも、そんな判断をする権利も、ましてや介入する権利などないのだなと考えさせられる、気づきの詰まった一冊でした。
honto みんなのレビューより
【ハリネズミの願い】新潮社
トーン・テレヘン
¥1,404(税込)
人づきあいの苦手なハリネズミが、家に誰かを招待しようと思いつくが、手紙を出すだけでひと苦労。クマがきたら?ゾウがきたら?と、不安がふくらんでいく。コミュニケーションが苦手な人を思わせる、大人のための寓話。
一見、森の家に住むハリネズミといろんな動物たちが登場するので牧歌的なメルヘンと感じる人もいると思いますが
物語の本質は「自分と他人とのかかわり」について考えさせられる結構深い内容でした。
honto みんなのレビューより
「本屋大賞」に選ばれた本は、どれも読みごたえのあるものばかり。読んでみると、作者の思いはもちろん、選んだ書店員の気持ちを想像してしまいます。
休みの日は、本好きが愛する「本屋大賞」の受賞作を読んで、本の世界にどっぷり浸ってみませんか?
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