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ガーデニング入門 庭の設計 ~初心者でもわかる庭のプラン法~

近年ガーデニングにいそしむ人が増えてきたのは、やはり人の自然回帰願望が関係しているのではないでしょうか?外構設計の鍵を握るガーデニング計画や、ベランダガーデンにも役立つ庭の設計方法、家庭菜園のアイデアなどについて見ていきましょう。

ガーデニング 庭の種類

ガーデニングとは園芸や造園全般を意味する言葉です。特に西洋庭園を造ることを指していましたが、現在は家庭菜園も含め庭造り全般のことを指しています。
また庭のない住まいのベランダでガーデニングを楽しむ人も多くいます。
庭と一口に言っても様々なスタイルがあります。まずはスタンダードな庭の種類を知り設計に備えましょう。

日本庭園

渡り廊下に囲まれた日本庭園

日本庭園とはその名の通り和風の庭の事です。西洋の庭がシンメトリーに設計されるのに対し、日本庭園は不等辺三角形に設計されます。

中庭を和モダンな庭に

中庭に和の要素を取り入れた例。白い玉砂利と和の要素の強い植物を置けば和モダンは成立します。
中庭の設計には日照を十分考慮して取り組んでください。

イギリス式庭園(イングリッシュガーデン)

ガーデニングの本場 イギリス式庭園

もともとイングリッシュガーデンとは自然の景観を取り入れた広大な庭園でした。現代の日本ではガーデニング用語として使われています。
主なものにイギリスの農家の庭のように設計したコッテージガーデンが挙げられます。

現代的な家と野趣あふれるイングリッシュガーデン 

木やレンガでデッキを作り家具を配置してお茶を楽しむ。イギリス人が好む庭での過ごし方です。
他にもツル薔薇のアーチやラティスフェンスはイングリッシュガーデンの象徴と言えます。
日本の住宅と英国式のガーデニングの融合が良くわかります。
設計時には家とのバランスを大切にしたいですね。

コートダジュール

コートダジュールをイメージした庭の様式

フランス南部の海岸コートダジュールをイメージした庭の設計様式です。
塗り壁に植物を配し、天然石や鉢物を取り入れるのが特徴になります。

南仏をイメージ

庭全体でなくても、一角に取り入れると庭の雰囲気ががらりと変わります。
コートダジュールガーデニングの象徴である塗り壁はコンクリートブロックでも作れます。

アジアンモダンガーデン

開放的なリゾートスタイル

竹やシダなどの植物を使い、基本色調は黒が多くつかわれますが、最近のトレンドは南国リゾート+白。
設計時には爽やかなリゾートガーデニングを思い浮かべてみてください。

赤いドラセナ

アジアの南国をイメージさせるドラセナを使い、小さなスペースでもアジアのリゾートガーデニングを実現しています。
面積が小さくてもあきらめないでください。

ガーデニングのイメージ作り ~設計に先立って~

庭造りは自分が目指す庭のイメージから始まります。
最近はインテリアと同じようにシャビーシックやナチュラルといった様式の庭も多くあります。

お庭にもシャビーな空間を

小物遣いでシャビーシック

使い込んで錆びたようなガーデニングツールやサインを上手に取り入れれば、シャビーシックなお庭が作れます。

整地不要!敷地の形状を生かして

岩を使って ロックガーデン

元々あった傾斜や岩を使ってロックガーデンという方法もあります。
外国ではよく使われる自然を生かしたガーデニング法です。

ガーデニングのスタンダード シンボルツリーを植える

中庭にも潤いを 

両側の部屋のガラス越しに見えるシンボルツリー。狭い場所も有効に使ったガーデニング例です。
常緑樹を植えて年中緑を楽しむのもいいですし、落葉樹を植えれば季節の移ろいが感じられます。

ウォーターガーデン

池をDIYで

防水シートを使えば池を作ることもできます。
ガーデニング設計の幅が広がりますね。
かつては「池と言えば鯉」。今はこんなリゾート気分も味わえます。

雑木使いでナチュラルに

里山のように

植える樹によって野趣あふれるナチュラルガーデンが出来上がります。
自然の森や林はガーデニングのお手本にもなります。
久しぶりに植物図鑑を開いてみてはいかがですか?

ガーデニング素材

庭の設計に欠かせないのが色々なガーデニング素材です。家の塀やフェンスの材質や郵便ポストも大事なガーデニング素材の一つ。
統一性があった方がまとまった印象を与えますが、異素材の組み合わせも意外性があって面白いですね。

レンガ

レンガは比較的安価な素材で、敷き詰めてアプローチや花壇を作ったりします。
ホームセンターで手軽に買えるのが人気のようです。
アンティーク風や様々な色があり選び方でガーデニングのイメージがガラッと変わります。

枕木

線路に使われていた枕木は今や大人気のガーデニング素材の一つ。
敷いたり建てたりと多様な使い方がされます。
枕木にはまれに発ガン性物質を含む塗料が使われていることがあるので、安心できる購入先を見つけましょう。

ガーデンファニチャー

ガーデンファニチャーとは庭に置く家具。庭で読書や食事を楽しみたい方には必須アイテムです。
最近は庭のスタイルに合わせて多彩なスタイルのガーデンファニチャーも販売されており、腐らない素材の物も増えています。
ガーデニングに憩いの場を提供してくれる名プレーヤーです。

コンクリートブロック

コンクリートブロックもレンガ同様ホームセンターなどで安価で購入できます。コツさえつかめばDIYで塀を積むこともできます。
コンクリートブロック自体は無機質な感じがしますが、色付きのモルタルを塗ることでコートダジュール風に、ペンキでアメリカンな庭にと仕上げ次第でバリエーションは無限大です。
気を付けたいのは塀などとして取り入れる場合、面積が大きくなるのでガーデニング計画・庭の設計に大きな影響を与えることです。
好きなテイストをよく吟味して取り入れたいアイテムです。

ネイビーのペンキに白いステンシル文字が映えるコンクリートブロック塀。トップに植栽を植えればガーデニングとして成立します。
ジャンクな小物と相性の良いアメリカンスタイルのガーデニングのお手本ですね。

立水栓

水やり・手洗いをはじめ庭にあると非常に便利な立水栓。既製品を買うもよし、手作りするのもまた一興でしょう。
外構工事の際に立水栓をつける場所を決めておいて、工事業者に施工を頼む必要があるのでガーデニングを始めてから後でつけるのはなかなか難しいでしょう。

タイル(モザイクタイル)

タイルの施工は難しそうですが、タイルシートを使う方法なら挑戦してみる価値はあります。
また仕上げのモルタルにタイルやビー玉を埋め込んでワンポイントにするという装飾も自分好みのガーデニング設計に一役買ってくれるでしょう。

さあ! 庭を設計してみよう

外国では建築科の必須専攻科目にガーデニングが含まれます。家を建てる時、住まいを探す時に既にガーデニングや庭の設計に明確なビジョンを持っている人がどれだけ多いかを物語っていると思います。
一方日本では「家にお金をかけすぎて外構は後回し」という話をよく耳にします。でも大丈夫です。ガーデニングや庭造りはゆっくり時間をかけてじっくり取り組むのが基本。植物の声に耳を傾けながら理想の庭づくりへ一歩前進しましょう。

設計図はどう描くの?

プロの設計図 こんな緻密じゃなくても大丈夫

こんな設計図が描けたらプロフェッショナルです!
あくまで設計図の参考にして下さい。
ただ、このように色を塗ると素人目にもわかりやすいですね。

これくらいで十分 はじめの庭の設計

どこにどんな樹を植えたいか?花壇はどこに?どんな素材を使おうか?と頭の中で膨らんだ夢を書き出してみましょう。
もちろんフリーハンドの設計図で大丈夫です。
立体的なガーデニングプランも書き込むとより現実感がわきます。

シンボルツリーを決めよう

シンボルツリーとは「家を象徴する樹」という意味合いが強いですが、「シンボルツリー=メインの樹木」と考えるとよいですね。
常緑樹と落葉樹、高木か低木か、地域の気候に合っているか、手入れの必要性・・・考えるべき条件はたくさんあります。樹木に詳しい方以外は地域の造園会社に聞いてみるのも手です。またインターネット検索でガーデニングと入力すれば、イメージに合った樹木を探す手伝いをしてくれます。

ベランダガーデンや鉢植えでのガーデニング設計

ベランダを活用 ベランダガーデン実例集

狭い庭やベランダガーデンでは以下の点に注意して設計してみてください。

①動線を邪魔していないか
②縦のラインを強調して立体感を出そう
③エアコンの室外機の風が当たらない場所を探そう

男前なベランダガーデニング

ジャンクスタイルと似ていますが、こちらはブルックリンスタイルと呼ばれるインテリア様式を取り入れたベランダガーデニング。
多肉植物だけでも立派に癒しの空間に仕上がっています。

鉢植えも立派なガーデニング 鉢植えのアイデア

ポップな色合いがGOOD 

子供用の長靴をプランター代わりにした可愛いアイデア。
後ろの柵を白く塗れば北欧風インテリアに合うガーデニングが可能です。

ブロックがプランターに早変わり

長方形と正方形のコンクリートブロックをバランスよく並べて作られています。
前述のコンクリートブロック塀に取り入れてもよいですね。
むき出しのコンクリートブロックとグリーンが好対照でモダンなガーデニングにマッチする大型プランターです。

最後に

ガーデニングや庭の設計は一足飛びに実現できるものではありません。植物の成長を気長に待ったり、最適な季節を待ったり・・・。でもそこがガーデニングや庭造りの醍醐味でもあると言えます。
そして緑は私たちの生活に癒しと潤いをくれます。

あなたのガーデニングライフの充実と設計へのお手伝いとなることができれば光栄です。

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