子供に夢を届ける☆絵本作家って?絵本作家になるにはどうすれば?
たかあみ
2015/12/23
子どものころ、誰もが夢中になった絵本の世界。
ひとたび開けばそこには不思議なお話が待っていて、ワクワクドキドキしましたよね。
でも絵本は、決して子どものものだけではないのです!
20代になった今だからこそ、心に沁みこむような素敵な絵本がたくさんあります。
今回は、大人にもオススメの絵本作家さんを国内外からご紹介します!
「金曜日の砂糖ちゃん」「草のオルガン」「夜と夜のあいだに」の3タイトルが収録されています。3つのストーリーに共通しているのは、主人公がみんな子どもで、独特な世界観の中にいること。
例えば「金曜日の砂糖ちゃん」は、一人ぼっちで眠り続ける女の子と、その女の子を守るカマキリのお話。
神秘的なタッチと抽象的なお話は、美しくもあり、見ている人にどことなく不安な気持ちも覚えさせる作品です。
口でうまくするのは難しい話ですが、決して”意味不明”では終わらない魅力に溢れています!
装丁の美しさから早くも惹きこまれる、酒井駒子さんの世界観がたっぷりつまった一作。
子どもの頃に抱いた不安、不思議に思ったこと。
あの時の、そんなふとした記憶の断片が蘇ってくるかのような、8つの不思議なショートストーリーで編成されています。
全編に登場するのは□(しかく)ちゃんという、変わった名前の女の子。
仕草や表情もとっても愛らしく、でも決して美化されていない、まさに等身大の子ども像が描かれています。
静かで不安だけどあたたかい、□ちゃんの世界にはいってみて。
子供の頃の記憶がよみがえりました。ぬいぐるみで遊んでいて、お母さんに話しかけられたとたん、ギョッとして一気に現実に返る感じ、、わかります。わたしもこんな風だった。子供のほんとうの姿に近いエピソードが、酒井駒子さんの静かな、でも何かがすごく心に届く絵と、とてもあっています。
舞台はパリ。本好きの少女ソフィーと、製本職人ルリユールおじさんが織り成す物語です。
ソフィーは、大切にしていた植物図鑑がバラバラになってしまい、直してもらおうとルリユールおじさんの本を訪れます。
本はルリユールおじさんの繊細で丁寧な作業により、みるみる美しく蘇っていき、いざ完成した瞬間には思わず胸がギュッとなるような感動に包まれます。
本好きな方は、この絵本を読み終わったあとには、より本を愛おしく感じられるはず。
製本するルリユールの手は、魔法の手。
その手がとてもしっかり描かれた、いせひでこさんの絵に惹きつけられます。
何枚も何枚もデッサンを重ねたことでしょう。
旅の途中でルリユールに出会ったいせさんは、あとがきで
「本は時代を超えてそのいのちが何度でもよみがえるものだ」と気付かされたそうです。
そしていせさんの旅は「ひとつの出会いで一変する」ものとなりました。
他の方もおっしゃっていますが、絵だけでなく、
ぜひあとがきまでじっくり読んでいただきたい絵本です。
上のルリユールおじさんと同じく舞台はパリ。
こちらは植物学者である「わたし」と、日本からきた少女「さえら」のあたたかい交流が本軸になっているお話です。
最初はどことなく影のあるさえら。でも、毎日のように訪れている植物園で、木々や草花に囲まれながら少しづつ成長していきます。
樹齢数百年もの木たちと植物学者と交流していく様子が、最初から最後まで穏やかに描かれ優しい気持ちに包まれます。
いせさんならではの、水彩画の美しい絵にもご注目!
この作品は大のなかよしである、かわいいちびっことリンゴの木のお話。
ちびっこはいつも木と遊び、木もそのことにとても喜んでいましたが、ちびっこは成長しやがて木のところへ遊びにこなくなってしまいました。
しかし、成長したちびっこは突然思い出したようにやって来て「〜をくれるかい。」と、木にさまざまな要求をしてきます。
その度に自分のリンゴや枝など、自分の身を犠牲にして、ちびっこに与え続ける木はやがて…。
愛とは与えるものなのか、何がしあわせなのかを考えさせられ、切なく心に突き刺さるお話です。
原題は“The Giving Tree”
タイトル通り、一本のリンゴの木が、一人の少年の幸せを願い、自分に与えうる全てのものを与え続ける姿を描いた一冊。
木は、子を想う母のようでもあり、恋人を一途に想い続ける女性のようでもあり…
読み手によって様々な解釈ができる深い作品です。
少しいびつな形の丸い「ぼく」が、自分には”なにかが足りない”と、自分にぴったりのカケラを探しに旅するお話。
さまざまな道をころがり、さまざまな生き物と出会い、「ぼく」は自分を埋めるためのカケラをとことん追い求めます。
ただの丸なのにとっても人間チックで、その姿に共感できる、という人も多いのではないでしょうか。
ついつい完璧を追い求めすぎて少し疲れてしまった、という人にもオススメしたい一冊。
これは、ルピナスさんと呼ばれる主人公の一生を描いたお話。
ルピナスさんは幼少期に、おじいさんから「世の中をもっと美しくするために、なにかしてほしい」と言われます。
ルピナスさんはその約束を守るために、世界中を旅しながら美しくするために行動していきます。
「美しくする」という、とてもシンプルですごく難しい課題。
そんな課題に真摯に向き合う、ルピナスさんの姿はとても素敵で憧れます。
読み終えた後は、あたたかい気持ちとすっきりとした読了感に包まれるはず。
まず、この絵本の透明感のある美しい色彩に心を奪われます。
見つめていると吸い込まれそうな、優しくて穏やかな色。
この絵だけでルピナスさんの人生が表現されている気がします。
自分の人生とドラマを比較したり、映画のようだったら、と憧れもするけれど、きっと私達一人一人の人生だって、素敵な物語で溢れているのでしょう。
将来のことを考え始める子供たちへ、また大人にも温かい絵本です。
この絵本の最大の特徴は、文字が一切なく白黒のデッサン画のみで物語が作られていること。
ある犬が、野の道を疾走する車から捨てられてしまいます。犬は車を追いかけますが、やがて車は見えなくなってしまいます。
一人ぼっちで歩く犬。やがて街に辿りつき、そこで犬は自分と同じく一人ぼっちの少年と出会い…。
文字がなくても、というより文字がないからこそ、孤独や悲しみが深いところまで想像できてしまうこの作品。
臨場感50枚以上もの犬の表情や姿が、鉛筆一本で描かれているというのだから驚きです。
切なくも、希望も感じさせてくれる、素敵な絵本です。
犬を飼っていたので、犬が捨てられて懸命に飼い主を追いかける姿に涙が出そうになりました。
不安や必死さ、孤独といった犬の心理状態がよく現れています。
最後に出会った少年の顔が、犬の顔とダブって、出会いにほっと心がやわらぎました。
ずっと犬の緊張感と孤独が伝わってきたので、ラストに感謝です。
ちなみに、大人向けの内容です。
大人になった今、読み返してみると「絵本ってこんなに深かったのか…!」と思わず驚いてしまうかも。
あなたも、素敵な絵本の世界に浸ってみませんか?
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