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『八つ墓村』映画化された3本の作品についてまとめてご紹介!

『八つ墓村』は、過去に3度映画化された作品です。難解な推理小説を原作としているため、それぞれの映画で登場人物やストーリーが変更されており、特徴が違います。この記事では、映画『八つ墓村』の作品を1つずつご紹介していきます。

『八つ墓村』とは

原作者の横溝正史

『八つ墓村』は、横溝正史が原作の長編推理小説です。これ原作とした映画が3本、テレビドラマが6作品、漫画が5作品、舞台が1作品あります。

小説『八つ墓村』を原作とした作品がこれだけあるということは、相当人気が出たのでしょうね。

原作小説『八つ墓村』

『八つ墓村』は、小説「金田一耕助シリーズ」の作品で、田舎の山村の風流や祟りを盛り込んだミステリーが話題を呼び、後世の推理小説にも影響を与えました。

『八つ墓村』あらすじ

小説『八つ墓村』は難解な作品

登場人物が多く、内容も複雑なため、映画化された作品はどれも大幅に内容を変更しています。ここでは、『八つ墓村』の大体のあらすじをご紹介します。

『八つ墓村』の舞台、戦国時代のとある小村に8人の落武者たち財宝を持って逃げ込んできます。当初は歓迎していた村人たちですが、次第に災いの種となることを恐れます。

金品と褒賞にも目がくらみ、村人たちは落ち武者たちを皆殺しにします。その後、祟りを恐れた村人は、落ち武者たちを手厚く葬り村の守り神としました。これか、村が『八つ墓村』と呼ばれるようになった所以です。

大正時代になってから、村の旧家の当主・要蔵が発狂し、32人の村人を惨殺する事件が起こります。彼は、八つ墓村に葬られた落ち武者を皆殺しにした首謀者・田治見家の子孫でした。

その事件の20数年後の昭和24年、またもや八つ墓村で殺人事件が起こります。この事件が映画の舞台となっています。

映画によっては時系列や事件内容に多少違いがありますが、大体の『八つ墓村』のあらすじは以上です。

映画『八つ墓村』1951年版

監督の松田定次

1951年11月2日に公開されました。監督は松田定次。数々の時代劇映画を量産し、ヒットシリーズ作り上げた監督です。

金田一耕助役の片岡千恵蔵

映画のキャストには、金田一耕助役に片岡千恵蔵。共演者に相馬千恵子、植村進、進藤英太郎、笹塚英介 などがいます。

『八つ墓村』の最初の映画作品です。正統派のミステリー映画に仕上がっています。金田一耕助は、上下スーツ姿のダンディな姿で登場しました。

1951年版の『八つ墓村』は、ソフト化がされていないので、残念ながら現在は視聴が難しくなっています。

映画『八つ墓村』1977年版

監督の野村芳太郎

松竹により、1977年10月29日に公開されました。映画監督は野村芳太郎。松本清張の作品を映画化しており、『張込み』、『砂の器』などが有名です。

映画のキャストには、金田一耕助役に渥美清。共演者に、萩原健一、小川眞由美、山崎努、山本陽子、市原悦子などがいます。

予告編

『八つ墓村』のキャッチコピーに使用された尼の台詞、「祟りじゃ〜っ!」が流行語となったのも有名です。配収19億9000万円を挙げた大ヒット映画となりました。

原作は祟りに見せかけたトリックを用いた犯罪でしたが、この映画では本当の祟りとしてオカルト要素が濃くなっています。

1977年版の『八つ墓村』は、映画の舞台を現代へと移しているのも特徴です。内容の変更点が多く、『八つ墓村』の映像作品の中でも異色作となりました。

映画『八つ墓村』1996年版

監督の市川崑

東宝/フジテレビジョン・角川書店・東宝提携により、1996年10月26日に公開されました。映画監督は市川崑。『八つ墓村』のほかに、『ビルマの竪琴』『おとうと』『犬神家の一族』などの代表作があります。

金田一耕助役の豊川悦司

映画のキャストには、金田一耕助役に豊川悦司。共演者には、浅野ゆう子、高橋和也、宅麻伸、岸田今日子、岸部一徳などがいます。

これまでの映画化作品と比べると、原作に忠実に描かれています。登場人物を少なくし、ストーリーをシンプルにまとめながらも原作に近い映画作品となっています。

『八つ墓村』は、映像化に伴い、ヒロイン的扱いの典子が省略されがちでしたが、この映画ではきちんと描かれているのも特徴です。

映画『八つ墓村』まとめ

以上、3本の映画作品『八つ墓村』のご紹介でしたが、いかがでしょうか?

小説が原作となっているため、映画化にともない内容が変更になるのは仕方がありませんが、各々の『八つ墓村』に特徴があることがお分かりいただけたかと思います。

あくまでも、映画化された『八つ墓村』は小説とは別物であると割りきって楽しんだ方が良いかもしれませんね。

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