今もオリジナルは上演NG!映画「愛のコリーダ」と藤竜也のエピソード

今から約40年前に公開された藤竜也主演の「愛のコリーダ」、あまりに過激な内容に裁判沙汰になったセンセーショナルな作品でした。2000年にリバイバル上映された際も修正が入るほどの話題作です。この作品に主演した藤竜也さんの想いや関係者のエピソードをご紹介します。

ダインディー俳優・藤竜也、御年74歳!

藤竜也

本名:伊藤 龍也
生年月日:1941年8月27日(74歳)
出生地:北京
国籍:日本
身長:174cm
血液型:O型
職業:俳優
ジャンル:映画、テレビドラマ
活動期間:1962年 -
配偶者:芦川いづみ

北京生まれ、神奈川県横浜市育ち。藤竜也エージェンシー所属。日本大学藝術学部演劇学科卒業。愛称はツモちゃん。

出典:https://ja.wikipedia.org

今年74歳になる藤竜也さん、北京で誕生したんですね。奥様は芦川いづみさん、日活の黄金期を代表する女優として知られています。1968年に藤竜也さんと芦川いづみさんが結婚、奥様は結婚して女優を引退されたようです。

大学在学中にスカウトされ日活に入社、1962年映画『望郷の海』でデビュー。数多くの映画に出演した。硬派・コミカル・シリアス・バラエティとあらゆる役幅を持っており、演技力は自在。70年代前半までは凶悪犯や用心棒などの悪役・敵役を演じる機会も多かった。

出典:https://ja.wikipedia.org

幅広い役を演じられると役者として有名な藤竜也さん、きっかけはスカウトだったんですね。

主演・藤竜也「愛のコリーダ」とは?

「愛のコリーダ」

『愛のコリーダ』 (あいのコリーダ、フランス語: L'Empire des sens、英語: In the Realm of the Senses)は、1976年公開の日本・フランス合作映画。大島渚監督、藤竜也、松田英子主演。
制作プロダクションのノートによると、『本作は日本初のハードコア・ポルノとしてセンセーショナルな風評を呼んだ』としている。

出典:https://ja.wikipedia.org

1976年(昭和50年)、阿部定事件(1936年)を題材に社会の底辺に住む男女の性愛を描いた『愛のコリーダ』を発表。同作は検閲を避けるため、若松孝二とアナトール・ドーマンのプロデュースという日仏合作で製作され、撮影済みのフィルムをフランスへ直送して現像と編集の作業を行なった。

出典:https://ja.wikipedia.org

検閲を逃れるためにフランス合作なんですね。

昭和史に残る「阿部定事件」を題材に、男女の愛欲の極限を描く。作品内容は神代辰巳監督の 『四畳半襖の裏張り』 (1973年)に大きな影響を受けており、大島自身も制作に当たって一番参考にした作品であることを認めている。吉蔵が定の性器に卵を入れる描写があり、日本国内では大幅な修正が施されて上映されたが2000年に「完全ノーカット版」としてリバイバル上映された。

出典:http://ja.wikipedia.org

阿部定事件とは愛人の男性器を切り取ったセンセーショナルな事件です。映画「愛のコリーダ」では、藤竜也さんが男性器を切られるシーンがあります。

この作品の脚本と宣伝用スチル写真等を掲載した同題名の書籍が発行されたが、その一部がわいせつ文書図画に当たるとして、わいせつ物頒布罪で監督と出版社社長が検挙起訴された。対する被告人側は「刑法175条は憲法違反である」と主張し憲法判断を求めた。しかし、一審二審とも従来の判例を基本的に維持しながらも「当該書籍はわいせつ物に当たらない」として無罪とした。

出典:http://ja.wikipedia.org

「愛のコリーダ」は男女の愛欲の世界を描いているため、わいせつ物と問題視されたのですね。確かに過激な内容です。

「愛のコリーダ」は何がスゴイのか?

第29回カンヌ国際映画祭の監督週間部門に出品され、ハードコア・ポルノを思わせる過激な性描写が観客や批評家の間で話題となった。同作はシカゴ国際映画祭審査員特別賞や英国映画協会サザーランド杯を受賞

出典:https://ja.wikipedia.org

「私にとってポルノ映画とは性器、性交を撮す映画であった。私に対してそれまで禁じられていたもののタブーを破っていくことが、私にとってのポルノ映画だった」と大島渚は語った。

出典:http://blogs.yahoo.co.jp

フランスで完成させた「愛のコリーダ」のオリジナル・無修正版は現在でも日本では上映することが出来ません。日本の映画界のタブーに挑戦したんですね。

警視庁は、三一書房が発刊したシナリオ本「愛のコリーダ」の中の12枚のスチル写真と13箇所のシナリオ部分がわいせつ文書図画販売にあたるとして摘発して裁判に持ち込まれた。
女優の松田暎子も映画出演が(出演料を貰って男優と性交した=売春防止法違反)違法にあたるのではと事情聴取までされたようだ。
被告人になった大島渚は「刑法175条は憲法違反である」「猥褻はなぜ悪い」と訴え一審二審とも無罪となった。

出典:http://blogs.yahoo.co.jp

「愛のコリーダ」の過激さがわかるエピソードですね。2000年にリバイバル上映された際もぼかしの修正が入るという、現在も問題視される作品です。

巨匠三人の監督が関わった「愛のコリーダ」と一人の名女優

監督・脚本:大島渚

生年月日:1932年3月31日
没年月日:2013年1月15日(満80歳没)
出生地: 岡山県玉野市
死没地:神奈川県藤沢市
職業:映画監督、脚本家、演出家など
ジャンル:映画、テレビなど
活動期間:1959年 - 1999年
配偶者:小山明子 (1960年 - 2013年)
著名な家族:大島瑛子 (妹)
公式サイト:大島渚プロダクション
主な作品:『青春残酷物語』『愛のコリーダ』『戦場のメリークリスマス』
受賞:カンヌ国際映画祭監督賞1978年『愛の亡霊』
日本アカデミー賞会長特別賞2014年
ブルーリボン賞作品賞2000年 『御法度』
 監督賞2000年 『御法度』
 新人監督賞1961年 『青春残酷物語』『太陽の墓場』『日本の夜と霧』
 特別賞2014年
その他の賞
シカゴ国際映画祭審査員特別賞
1976年 『愛のコリーダ』 英国映画協会サザーランド杯
1976年 『愛のコリーダ』
2000年 紫綬褒章
2001年 フランス芸術文化勲章オフィシエ章

出典:https://ja.wikipedia.org

「世界の北野」こと北野武さんも大島渚監督の影響を受けていると言われています。過激な発言で注目されることもありましたが、「愛のコリーダ」でも裁判で無罪を勝ち取るなど、意志の強さとバイタリティあふれる姿が印象的でした。

制作:若松孝二

本名:伊藤 孝
生年月日:1936年4月1日
没年月日:2012年10月17日(満76歳没)
出生地:宮城県遠田郡涌谷町
職業:映画監督
ジャンル:ドキュメンタリー等
活動期間:1963年 - 2012年

出典:https://ja.wikipedia.org

2012年交通事故で亡くなりました。

製作はかって「ピンク映画の巨匠」と呼ばれた若松孝二と組むことで大島渚は「ツイている奴と組めば必ず勝てる」と思って彼に製作を任す。若松孝二の「人脈」で優秀な人材も集まる。

出典:http://blogs.yahoo.co.jp

スタッフ集め以上に難航したのがキャスティング。特に吉蔵役は勃起した性器を露出しなくてはならず、尻込みして誰も了承しない。いよいよ記者会見が前日に迫ったとき、若松監督が偶然にもテレビドラマ『新宿警察』に出演していた藤竜也を見て吉蔵にぴったりと思い、すぐに連絡を取ると台本を送付。その夜、新宿の酒場で落ち合い、若松監督が「やってくれませんか?」と意を決して言うと、藤は「若松さん、やるから一緒に飲んでいるんでしょ」と静かに語り、出演を了承してくれたという。

出典:http://cinema.pia.co.jp

藤竜也さんが「愛のコリーダ」の出演を了承した時のエピソードですね。藤竜也さんが静かにOKを出すのがカッコイイですね。

チーフ助監督:崔洋一

本名:チェ・ヤンイル (최양일)
生年月日:1949年7月6日(66歳)
出生地:長野県佐久市
職業:映画監督、脚本家、俳優、大学教授
ジャンル:映画、テレビ映画
活動期間:1969年 -
活動内容:1969年 照明助手
 1975年 チーフ助監督
 1981年 監督昇格
 2004年 日本映画監督協会第8代理事長に就任
 2007年 宝塚造形芸術大学(現: 宝塚大学)教授に就任
主な作品
『十階のモスキート』『月はどっちに出ている』『血と骨』

出典:https://ja.wikipedia.org

日本初の本番映画で、秘密裏に進めなきゃいけなかったんです。フランスとの合作で、あっちのプロデューサーに「男性器の形もかっこいい人を」と写真を求められたりして、キャスティングは難航しました。

出典:http://dot.asahi.com

「愛のコリーダ」のキャスティングエピソードです。記者会見の7、8時間前に藤竜也さんに決定したそうです。

崔監督は若松孝二監督と飲み仲間だったことから、「日本がひっくり返ることがあるが、ノルか!」と誘われて若松監督プロデュースの『愛のコリーダ』(1976)に参加。当時、まだ25歳だったが、チーフ助監督に抜擢したのが大島監督だったという。「大島さんに開口一番『新宿で一番喧嘩が強いんだって?』と言われた。それで俺をリクルートしたのかと(笑)」。

出典:http://www.cinematoday.jp

「愛のコリーダ」に参加してからの苦労を予想させるような大島渚監督の言葉ですね。

日本を代表する巨匠3名の映画監督が関わった映画「愛のコリーダ」、完全オリジナル版を見ることは出来ませんが海外から高い評価を受けました。

女優:松田英子

1975年、大島渚監督の映画『愛のコリーダ』で、主演の阿部定役に抜擢される(松田英子名義)。日本映画初の「本番」が話題となったこの作品で、情夫役の藤竜也を相手に、毒婦と呼ばれた女の純粋さを演じて強烈な印象を残した。
その後は、松田暎子名義で東映京都作品のほか、ATG作品で若松孝二監督の『聖母観音大菩薩』や、日活ロマンポルノ、東映などの数本の映画に出演。1982年のフランス映画『Cinq et la peau』への出演を最後に引退した。

出典:http://ja.wikipedia.org

藤竜也さんの相手役の女優さんです。過激な作品「愛のコリーダ」に出演して7年後に引退しました。1952年5月18日生まれなのでお元気であれば現在63歳ですが、亡くなったという噂もあります。

藤竜也が語る「愛のコリーダ」とは

―特に若いお客さんにどのようなところを見てほしいですか?

そうね・・・・・「惚れる」っていうのはこういうことなんだよ、ってことになるのかな。みんな、その覚悟はあるかい? って。

出典:http://blog.goo.ne.jp

「愛のコリーダ」はその過激な描写や映像が話題になりますが、根底にあるのは男女の愛なんだと、藤竜也さんは言われているようです。ダンディーな藤竜也さんが言うと渋みがありますね。

ホン(台本)を読んだときに、「これをやらないバカはいない」という直感がすごく強かったんですよ。あとは野となれ山となれ、というか。ヤバイ仕事だとは感じましたが、「こう言うテーマは二度と来ない仕事だ」とも思いました。

出典:http://blog.goo.ne.jp

藤竜也さんにとって「愛のコリーダ」への出演はターニングポイントだったのでしょうね。「愛のコリーダ」出演の後、2年間俳優業から遠ざかったそうです。

実に誇りの高い現場でしたね。たとえば、僕はタバコ吸いだけども、セットなのかでは吸う気になれないぐらいの毅然とした雰囲気があった。だからセットに上がるときも、思わず足の裏を見て、汚れてないかな、って見るくらいキチーッとしてね。やはり美術的にも素晴らしいんですよ。鑑賞するだけの値打があるようなセットを、美術監督の戸田重昌さんがつくった。一礼してから入りましょう、っていう感じでしたから。こういうところに映画の喜び、誇りがあるんですね。

出典:http://blog.goo.ne.jp

「愛のコリーダ」は映像の美しさも話題になりました。藤竜也さんやスタッフの作品にかける想いが伝わるエピソードですね。

撮影に入るとき七〇キロあったのが、最後は五五キロ。気持ちいいですよ。

出典:http://blog.goo.ne.jp

「愛のコリーダ」で定(松田英子)に愛溺れる役の藤竜也さんは役作りのために撮影中に体重を落としたそうです。藤竜也さんの俳優魂を感じます。

そういえば、撮影が終わって(スタジオのある京都から)東京へ帰る前日くらいかな。美術の戸田重昌さんが僕のところに来て、「藤さん、ちょっとお願いがあるんですけど」「はい、なんでしょうか」「松田さんに一つ渡してもらいたいものがある」と。和紙に包んだ白無垢のね、何ていうんだろうか、単衣というか…。とにかく着物ですよ。ああ、これはおそらくスタッフ全員の松田さんへの称賛の意味だな、と思いましてね。これはきちんとしなければと、旅館の一番いい部屋を空けてもらって、きれいに掃除してもらって、冬だったけれども、京都ですからね、バーンとあけて庭が見えるようにして、キリッとした空気をつくってもらった。そして二人になって、「あの、これ、どうぞ」って白無垢を差し出したら、松田さんがポロポロ泣いてね。その白無垢の意味は何なのか、戸田さんには聞かなかったけど、別に聞かなくてもそれぞれに思うところがあればいいんですよね。

出典:http://blog.goo.ne.jp

粋な計らいですね。「愛のコリーダ」の中で愛に溺れた松田英子さんと藤竜也さん、お二人にしか分からない関係性というのがあるのでしょうね。

―お会いしたくないですか?
いやあ、吉と定の世界はあそこで終わったんです。生身の藤竜也と松田英子が会ったって、ただセンチメンタリズムなだけで、あまり意味がないでしょ。

出典:http://blog.goo.ne.jp

2000年のインタビューです。藤竜也さんは「愛のコリーダ」で演じた定を愛していたのでしょうね。

そして若松孝二の尽力もあって最終的に日活出身の俳優、藤竜也に決定する。
だが、藤竜也の夫人は元日活スター、芦川いづみ。
自分の女房以外の女性と映画の上とはいえ、実際に性行為をしなければならないとおそらく悩んだに違いない。だが映画の完成披露イヴェントの日芦川いづみは松田暎子に対して「主人がお世話になりました」と優しい笑顔で頭を下げたらしい。

出典:http://blogs.yahoo.co.jp

藤竜也さんの奥様・芦川いづみさんもカッコイイですね。笑顔で御礼を言うなんて、さすがアッパレです。

藤竜也さんと映画「愛のコリーダ」についてご紹介しました。センセーショナルな内容と映像が話題の「愛のコリーダ」ですが、「惚れる」という究極の愛欲を描いた作品だと吉蔵を演じた藤竜也さんは語っています。74歳の現在でも映画やドラマで活躍する藤竜也さん、いつまでもダンディーな姿を見せ続けて欲しいですね。