最後の一言が欲しかった♡ホッと一息できる《秋の妄想DAY3》

季節は秋。近頃少し肌寒くなってきましたね。寒いからなのか、心の中もちょっぴりセンチメンタル。こんな時こそ、妄想でホッと一息つきたい♡そんなあなたへ妄想好きな筆者が贈る、《秋の妄想DAY3》。最後の一言を心待ちにして、ごゆっくりお楽しみください♪

最後の一言にご注目♡《秋の妄想DAY3》

近頃少し肌寒くなってきて、長袖を着ている人をよく見かけるようになりましたね。

季節は秋。ファッションもメイクも少しずつ落ち着いたカラーを選ぶようになって、心もちょっぴり寂しくなってしまう秋。こんな肌寒い日に、こんな恋人がいたらいいのに!

今回は年中妄想ばかりしている筆者が贈る、《秋の妄想DAY3》をお楽しみください♡

【DAY1】ありふれた日常と、忘れない褒め言葉

「ねぇ、もうちょっとそっち行ってよ、狭い」

土曜の16時、彼の部屋。半同棲して1年半が経つこの部屋で、私たちは例によって一人掛けの青いソファーに座り、本を読んでいる。一人掛けにしては少し広めの作りとはいえ、狭い。狭すぎる。

「新しいソファー買うなら、何色が良いかな」と呟く彼が動くたび、私の衣類からも感じるあまい香りが漂う。柔軟剤、もうないっけ。

ふと横を見ると、ゆるくパーマがかかった黒髪に、黒ぶちの眼鏡、ボルドーのパーカーを着て本を読む、‘‘彼氏’’として最高なビジュアルを持った彼がいる。

しばらく見つめていると、こちらを見向きもせずに「なに」とぶっきらぼうに言うので、私はコーヒーを作るためにキッチンへ向かう。付き合って3年、今年で25。彼は結婚を考えてくれているのだろうか。

人生は、一瞬で大きく変わる。ドラマのような劇的な瞬間なんて経験したことはないけれど、なんとなく生きてきた私でも「人生サイコー」って1度くらい思いたい。

彼のコーヒーにはミルクとシロップを入れて、ソファーの前のガラステーブルに置く。あれ、私の本がない、と思って彼を見ると、自分の本に飽きたのか私の本と入れ替えて読んでいた。

「その西加奈子の‘‘白いしるし’’ね、MARBLEっていうアプリで紹介されてたの」
「ふうん、そうなんだ。本の名前が良いよね」

コーヒーを右手で持ちゴクン、と一口飲むとこちらを向いて、目尻を下げながらふわっと笑う。

彼は、私を否定したことがない。私の好きなものを、好きになろうとしてくれる。良いところを見つけて褒めてくれる。そういうところが好きだ。

私はさっきよりも彼寄りに座って、彼が読んでいた本を開く。その直後、隣で「ちょっとー、狭いよー」と呟く声が聞こえた。

【DAY2】雨の日のピクニック

天気予報は晴れだった。気温は24℃で、お気に入りのギンガムチェックのワンピースを着るには持ってこいの気温だった、のに。

昨日あれから思い立って、「明日はピクニックに行きます!」と彼に宣言した。

腰の重い彼を「おっ!立てたね!」「今日もカッコイイ!」「歩く姿もイケメン!」なんて安い褒め言葉で持ち上げながら、日が暮れないうちに買い出しに出かけ、必要なものも並べて置いた。

それなのに、起きてみると雨。「なんでよ、昨日は晴れだって言ってたのに」と、耳元で彼が呟く。「そう思ってたでしょ?」と意地悪に笑いながら。

「まあこういう、思いもよらないことが起こるのも人生だからさ。楽しもうよ、ふたりで」

と言い終わらないうちに彼は食パンを取り出して、サンドウィッチを作り始めた。彼の鼻歌とリズムをとる大きな体に合わせて、ぴょんぴょんと跳ねた黒髪も揺れる。

彼は、私を置いて行ったりしない。私が立ち止まって彼に後れを取っている時は、必ず迎えに来てくれる。道に落ちてしまった私のワクワクとかウキウキを右手で拾って、左手で私の手を掴んでくれる。

ふたりでback numberの「日曜日」を歌いながらサンドウィッチを作り終える。そして私は、お気に入りのギンガムチェックのワンピースを着る。

彼はおもむろにリモコンを取り出して、撮り溜めておいた私の大好きなバラエティー番組を再生する。雨が降ってしまったことなんて、ピクニックに行けなかったことなんて忘れるほど、ふたりで笑い合った。

こんな日常が続けばいい。彼の髪の跳ね具合をアルバムに残したり、新しい柔軟剤がすごく良い匂いだとふたりで騒いだり、悪いことがあってもこの人の隣にいられたら自分は最強だと思えるような、そんな毎日が続けばいい。

【DAY3】人生は案外楽しいものだ

ぱちりと目が覚めた、日曜の朝。あのピクニックの1件から1ヶ月が経った。大人になると、1ヶ月が4秒で過ぎる、気がする。

小さな寝息を立てる彼をシングルベッドに残してコーヒーを淹れると、昨夜書店で買ったインテリア雑誌を捲った。やっぱり、新しいソファーほしいのかな。二人掛けなんて、この部屋には置けないけどなあ。

パソコンを開いて仕事をしたりマニキュアを塗り直したりしていると、彼が起き出した。

「ねえこのソファー、いいんじゃない。色も好きそうだし、二人掛けだけどそんなに大きくないよ」

まるで私たちの目に留まるのを待っているかのようにヒッソリと写る、ブルーグレーのソファーを指差し、彼を見る。どうやら彼の好みに合致したようで、瞳をきらきらと輝かせている。きっと彼とならなんでも楽しいと思えるのだろうな。

「そういえば来年アパートの更新だし、どうせなら一緒に住まない?」

左手の人差し指にトップコートを重ねながら私は言う。少しだけ、ドキドキしながら。あなたと一緒に住むの、意外と楽しいしね、そう続けようとしていた。

「あのさあ」「んー?」「俺たち、結婚しない?」

ピョンと跳ねた髪を左手で押さえ、少し照れながら彼は言った。


人生は、案外いいものだ。

途方もない現実を目の当たりにしたり、「呼んでないよ!」と叫びだしたくなるほどの嫌な出来事に襲われたりもするけれど。それでも、彼が隣にいるのなら。

しょうもないコントで涙が出るほど爆笑したり、柔軟剤はどれが1番良いのか真剣に語り合ったり、タンスの角に小指をぶつけた時に背中を擦られて「そこじゃない!」と言わせてくるような、彼が隣にいるのなら。

「人生って、案外楽しいじゃん」って思えそうな気がするのだ。

皆さんの今秋が、楽しいものでありますように♡

《秋の妄想DAY3》でホッと一息できたでしょうか。

長くも短い人生を一緒に生きるなら、何事も楽しめる人がいいですよね。くだらないことで笑い合えることが、意外と大事なんじゃないかなと筆者は思います。

この妄想ストーリーを読み終えた皆さんにとってこの秋が、楽しいものでありますように♡

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