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初心者歓迎!【ビオトープの作り方】水辺の景色に癒されよう

話題のビオトープでおうちの中に生態系を作ってみませんか?水生植物と小さな魚の共生、水のせせらぎの音。ゆったりと流れる時間が見る人を癒してくれます。ビオトープの作り方をまとめました。とてもシンプルな作り方で、初心者でも簡単にチャレンジできるんです。

水辺の景色に癒されたい人はビオトープを作ってみよう

お庭やベランダに小さな生態系を作り出す、ビオトープを始めてみませんか?実は基本だけなら作り方はとても簡単なんです。

シンプルで小規模なビオトープから始めたつもりが、いつの間にか熱中しているかもしれません。疲れた人ほどハマる癒し、ビオトープの作り方をまとめました。

はじめに、ビオトープって何?

ビオトープ、またはバイオトープとはbio(命) + topos(場所)からなる造語で、日本語に訳すと「生物の生息空間」をあらわす言葉です。

近年よく聞くようになった意味でのビオトープは、簡単にいうと小さな鉢の中で水辺の生態系を人工的に再現することを言います。

アクアリウムとの違いは、飼育ではなく生態系の観察に重きを置いているところにあります。

飼育と違って厳密な温度管理やエサやりなどの手間がなく、水生植物とプランクトン、昆虫や魚などが自然の食物連鎖を維持しているのがビオトープ最大の特徴です。

メダカや金魚などの小さな魚が水草を食べ、そのフンが水草を育て、水草の出す酸素が魚とプランクトンを育て、そしてそのプランクトンが水質をキレイに保ってくれる。

そんな自然の生態系を再現させた循環を作り出すことが、ビオトープの作り方のポイントです。

ビオトープを作ることで、お庭に池がなくても、またはおうちにお庭がなくても、手軽に水辺の風景を作り出して心を癒すことができます。

水の流れる音とそこに住む生きものたちの暮らしぶりを眺めて、ゆったりとした時間の流れに身をゆだねてリラックスしましょう。

基本的なビオトープの作り方

まずは鉢を用意しましょう。マンションなどのベランダでビオトープを作るなら小ぶりなもので構いません。陶器製かプラスティック製のスイレン鉢がいいですが、なければバケツでも大丈夫です。

ビオトープの中に入れる予定の水生植物の葉っぱが浮かぶ程度に深さがあればOKです。

底床材となる砂利をスイレン鉢の底に浅く敷きましょう。砂利は表面がザラザラしたものの方がバクテリアが繁殖しやすく、水質浄化の重要な役割を担ってくれるうえに、メダカなど水生生物のエサにもなります。

エサをやらずに自然の生態系に任せて繁殖させるような本格ビオトープの作り方では、必ず土・砂利が必要になります。

次に、水生植物をスイレン鉢の中にセットします。手軽にビオトープを楽しみたい場合はポットに入れたまま水に沈めても大丈夫です。

もちろん地植えにしても構いません。ポットから出して直接底床に植えた方が、植物の成長と水質の安定につながります。

流木や木の枝や浮き草、岩などをレイアウトして、ビオトープの完成です。お庭やベランダにスイレン鉢を設置するとき、鉢が倒れないよう周囲に小石や砂利を敷いておきましょう。

約一週間ほどは生体を入れずに水を安定させてください。この間に水が濁ってしまうようなら、水を足して溢れさせながら少しずつ入れ替えます。

水が落ち着いて微生物が活動を始めるくらいの時間が経ったら、いよいよメダカなどの生体を入れて、本格的にビオトープの生態系が機能し始めます。

メダカや金魚などは水の変化に弱いので、入れるときは水に慣らしながらゆっくり入れてあげてください。生体の入れすぎには注意しましょう。メダカ1匹につき水4L程度が目安です。

ビオトープはお庭の日当たりのいい場所やベランダにも気軽に設置することができます。できるだけ午前中にはよく日光があたって、午後になると陰になるような場所に置くのが理想的ですね。

気温が上昇してくる春先以降は、水生植物と共にアオミドロなどの藻類も発生してきます。手や割り箸で除去してもいいのですが、タニシを数匹ビオトープの住人にするのも効果的です。

タニシなどの貝類は藻を食べて水をキレイにしてくれるので、複数匹ビオトープの中にいてくれれば水質管理がとても楽になります。その際は、数種類の生物を入れた方が生態系が安定しやすくなります。

生態系がしっかりと定着して循環し始めると水の交換はほとんど不要になりますが、うまくいかない場合は定期的に水を換えてキレイにしてあげましょう。

完全に手入れのいらない本格的なビオトープを作るのは、素人にはちょっと難易度が高すぎるかもしれません。でも、手入れさえしっかりしていれば美しい癒しの景色を作り上げることができます。

いろいろな生きものが自然に暮らしていける、ステキなビオトープを作ってみてくださいね。

作り方に悩む初心者さんはキットを使うのもおすすめ!

作り方自体は簡単なものですが、はじめからきちんと機能するビオトープを作るのは初心者にはなかなか難しいのが現実。

慣れないうちは、まずキットを使ってビオトープを作ることから始めてみるのもいいのではないでしょうか?

黒メダカ付き ビオトープチャレンジ5点セット

¥3,780(税込)

こちらのキットには黒メダカ5匹とアレンジに最適な20~30cmの流木、ゴロタ石が5つと浮き草のミックスパックが入っています。水質浄化石もついてくるので、水が濁りにくいのが嬉しいポイントですね。

基本的な素材さえあれば、ビオトープは誰にでもチャレンジできます。

まずは水生植物とメダカ、流木や岩を用意して生態系を再現してみましょう。あとは生きものたちの暮らしが安定するまで見守りつつ、必要なら時々は手助けをしてあげるだけです。

きっとビオトープがあなたのおうちに癒しの空間を作り出してくれますよ♪

メダカに優しい本格的(っぽい)ビオトープの作り方

基本的な作り方は、鉢に土を入れて植物をセット、水を入れて数日放置、生体を入れるという単純な工程で終わり。

ですが、同じ作り方でもレイアウト次第ではもっと本格的(っぽく見える)ビオトープを設置することができます。

まずはホームセンターでプラ船と呼ばれるケースを入手しましょう。セメントなどの建材を入れるケースなので、代用品よりも頑丈です。そして安価です。

これは見栄えのためですが、プラ船に木材を貼りつけます。木材には耐候性の塗料を塗付しておくと劣化を防げるので必ず塗っておきましょう。

まずプラ船にドリルで穴を開け、木材をビス留めします。ボンドでも接着しておくと更に安定感がアップ。ビスは錆に強いステンレス製のものを選んでください。

ベランダビオトープで雨が吹き込んで水が溢れてしまうことはまずないとは思いますが、お庭や玄関など屋外に設置する場合は、プラ船に穴を開けてオーバーフロー管を取りつけておきましょう。

底床材となる砂利か土をプラ船の中に敷き詰めます。このあたりの作り方はスイレン鉢で行うときと同じ作り方ですね。

ちなみに、砂利は底床掃除でリセットしなくてもいい扱いやすい素材です。まだ生態系の作り方に慣れていない初心者の人や、長期維持したいときは砂利を選びましょう。

また、赤玉土など土系の底床材は、水質安定や植物の生長に最適な素材です。植物を地植えしてたっぷり育てたいなら土を選びましょう。

ただし土系の底床には寿命があるため、一定期間で取り替えなければいけません。生態系を再現しているビオトープのリセットは通常の水槽よりも手間がかかるので、上級者向けといえます。

続いては水生植物のセットです。メンテナンスをなるべく楽にしたいなら、水生植物はポットのままで置きましょう。とはいえ買ったときのポットでは軽すぎるので、素焼きの鉢に移し替えるのがおすすめです。

底に穴の開いている鉢を選び、園芸ネットで塞いでから砂利と土を入れます。鉢の底と上部は砂利を敷いて、間に赤玉土などを入れると植物がよく育ち、表面の砂利で土の浮き上がりも抑えられます。

アクセサリーを設置していきます。両サイドにあるのはバクテリアを繁殖させるための溶岩石。すのこはアクセサリーのディスプレイに使えて、メダカの日除けにもなります。

すのこは100均ショップで購入できる安価なものですが、これもプラ船の縁に置いた木材と同じように塗料で保護しておきましょう。

いかがでしょうか?レイアウトにこだわるだけで、シンプルな作り方でもかなり本格的(っぽい)外見のビオトープを作ることができます。マンションのベランダとは思えません。

続いては、ここで満足できない人のためにもう少しこだわり派の作り方をご紹介します。

ビオトープに流れをつけたい!

できあがったビオトープ、レイアウトにはこだわり抜いたつもりだけど何かが足りない気がする。

それはきっと「水の流れ」ではないでしょうか?おうちの中に生態系を作れるのがビオトープの魅力、せっかくなら水のせせらぎも再現したいものです。

そこで、上記の本格風ベランダビオトープにお手軽に設置できる水の流れの作り方をご紹介します。

水流の作り方で必要なものは、基本的には水中ポンプのみです。目詰まりしないように、スポンジフィルターつきのポンプを用意しましょう。

このスポンジフィルターは本来、バクテリアなどの生物ろ過を目的としているため、目が細かくなっています。が、ビオトープでこれを使うと間違いなく詰まってしまうので、目の粗いストレーナースポンジの利用をおすすめします。

このように水中ポンプのまわりをフィルターで覆っておくのも多少は効果が見込めます。

目の粗いスポンジフィルターではろ過効果がないのでは?と思いがちですが、アクアリウムではなくビオトープなので、生態系内の不要な有機物はバクテリアがちゃんと分解してくれます。

キレイすぎるビオトープでは生態系を再現できません。あくまでも自然に任せるのが作り方のコツです。

スポンジフィルターを設置したら、竹の筒をカットして穴を開け、ワイヤーを通してフィルターにセットします。なんとなく鹿威しのような雰囲気になりました。

竹の筒はどんなレイアウトのビオトープにも馴染みやすいので、器具を隠すアイテムとしておすすめです。

この上から溶岩石などを重ねて設置しましょう。これでフィルターは見えなくなりました。ポンプのスイッチを押せば、ビオトープ内にゆるやかな水の流れができます。

作り方をまとめると、ポンプを設置する、フィルターを隠す、以上!です。水の流れを作るなんて大仰に感じますが、とても簡単にステキな風景が作れるので、是非チャレンジしてみてください。

実際にビオトープ内を水が流れている様子がこちらの写真です。ほんの少しの工夫ですが、一気に風情が出てきますよね。

作り方に工夫すれば、岩から直接流れ出るように見せて滝や川を作ることさえ可能です。いろいろなレイアウトを考えてみましょう。

ここでひとつ、注意すべき点を。

ポンプを使って新鮮な空気を含んだ水を流せば、ビオトープ内に溶存酸素が増えてバクテリアの活動が活発になり、ろ過機能が向上します。ですが、いいことだけではありません。

メダカは強い流れを嫌うため、止水域を確保しておいてあげなければストレスが溜まってしまいます。最悪の場合は衰弱死もあり得るので、ゆっくり水が循環する程度の水流に調整してください。

流れる川の ベランダ ビオトープの作り方手順

こちらの動画では、滝のように水が流れ出るベランダビオトープの作り方手順を公開されています。ベランダから聞こえてくる水のせせらぎ…とても癒されますね。

同じような作り方でも、レイアウトの工夫次第で個性豊かなビオトープを作ることができそうです。

ベランダでもできるビオトープのレイアウト例

植物が好きだけどお庭がないのでガーデニングを諦めていた、なんて人にもビオトープはおすすめです。

ベランダでもチャレンジできるような、小規模ながらおしゃれなビオトープのレイアウト例をいくつか集めてみました。あなたのおうちでもビオトープを作ってみませんか?

見事に咲いたスイレンの花の下ではメダカが楽しく泳ぎ回っています。

こちらのビオトープはスイレン鉢にハンギングプランターをぶら下げるアイデアが光ります。ビオトープの周りにもグリーンを配置してベランダの風景に馴染ませてくれますね。

水鉢の中はともかく、ベランダに設置する場合はビオトープに使う鉢そのものが風景から浮いてしまうのが悩みどころ。

こちらは琉球アサガオを背景として組み合わせることで、ビオトープを風景に馴染ませています。

ユニークな形状の葉っぱが視線を惹きつける個性的なビオトープ。どの植物も、定期的な間引きが必要なほど元気いっぱいに育っているそうです。

暑い盛りの夏場はすだれを設置して遮光することで、きつい直射日光のあたるベランダでも鉢の水温が上がりすぎてしまうのを防いでくれます。

小さな水鉢を使った小規模なビオトープなら、ベランダや玄関先のわずかなスペースでも水辺の風景を楽しむことができます。蒸し暑い日本の夏を乗り切るために、ビオトープで涼をとってみるのもいいのではないでしょうか。

キレイに咲いた花に惹かれ、ふと覗き込んだ水の中で泳ぎ回る魚を眺めているのは、とてもリラックスできる時間になります。

水のある風景は癒される♪

お庭やベランダの一画から聞こえてくる穏やかな水のせせらぎの音。そして覗き込めばそこには小さな生態系が存在する。

ビオトープは日常に癒しと和みを与えてくれます。あなたのおうちにも小さな生態系を作ってみませんか?

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